2023/05/01
プラカップにもホット用とコールド用があるって本当? そのカップは「ホット用」ですか? 日を追うごとに寒さが厳しくなるこの時期。外出先でお客様のために、様々な商品を揃える店舗も多いのではないでしょうか。 冬になると、誰でも冷たい飲み物より温かい飲み物が欲しくなるものです。 その中でも、例えばホットワインやホットビールといった、寒い時期によく見かける飲み物は、「中身」を見せて集客につなげる目的で、プラスチック製のカップ(プラカップ)で提供されることがあります。 しかし、プラカップの場合、飲み物の温度やプラカップの素材によっては、やけどなどのトラブルの原因になることもあります。 ポイントは、「カップの耐熱性」と「ホット用プラカップ」です。 別のコラム(ハイパーリンク:https://www.miyaco.jp/hpgen/HPB/entries/54.html)で取り上げたように、紙コップにはホット用と呼ばれる耐熱性に優れた商品が存在します。 しかしプラカップにも「ホット用」が存在することはあまり知られていません。 ホット用プラカップは上手に活用すれば、提供できる飲み物の幅が広がる可能性も秘めています。 この機会に、お使いのプラカップがどれほどの熱に耐えられるのか、一度確認してみてはいかがでしょうか? そもそも「ホット」とは何℃を指すのか 飲食店で飲み物を頼む時や、自動販売機で飲み物を買う時に、よく「ホット」という表示を目にします。 この時の飲み物の温度は、一般的に55℃以上だそうです。 例えば、自動販売機で買った飲み物の温度が約55℃です。 また、大手コーヒーチェーンで飲み物を「ぬるめ」と指定して頼むと約65℃、「熱め」と指定して頼むと約75℃で提供されると言われています。 55℃というと、数秒であればなんとかお湯に手を付けられるくらいの温度です。 つまり、一般的な「ホット」はそれと同じくらいか、それ以上に熱いということになります。 このような高い温度に耐えられるプラカップでないと、飲み物を提供した際に、やけどや、プラカップそのものが変形してしまう危険があるのです。 熱に強いプラ素材と、熱に弱いプラ素材 紙コップに様々な素材のものがあったように、プラカップにも様々な素材のものがあります。 最も有名で身近な素材の一つが「PET素材」です。 その特徴は、透明性があり、強度、耐久性、耐熱性に優れていること。 一般的に、ペットボトルの素材として知られています。 自動販売機やコンビニエンスストアなどで、冷たい飲み物だけでなく、温かい飲み物がペットボトルに入って売られていることからも、PET素材は約55℃に耐えられる素材であることが分かります。 PET素材のカップはこちら もう一つ、最近注目されている素材「PLA素材」です。 「PLA」とは、 Poly-Lactic Acid(ポリ乳酸)の頭文字をとった略称で、植物を原材料にした、地球環境に配慮された植物性プラスチック素材を指します。 近年、地球温暖化や石油資源枯渇などの環境問題への関心の高さから、石油を原料とするプラスチックに代わる存在として注目を集めており、現在では主に、食品用トレイや、レジ袋などに用いられています。 PLA素材の特徴は、透明性の高さと、プラスチック特有の臭いがないので飲料本来の香りが楽しめることです。 一方で、耐熱性にはまだ課題があり、一般的なプラカップに比べ、PLAカップは耐熱温度が45℃~50℃と低めになっています。 そのため、残念ながら温かい飲み物には使用することができません。 PLA素材のプラカップは、冷たい飲み物に使用しましょう。 PLA素材のカップはこちら PET素材とPLA素材の違いを比較してみましたが、「耐熱性があまり変わらない」と思われる方がいるかもしれません。 しかし、このわずかな差が、ホット用プラカップとして安全に使用できるかどうかの分かれ目なのです。 それぞれの素材の良さをいかしたチョイスが大切 ここまでプラカップの耐熱性を見てきましたが、もしも、プラカップの耐熱性に不安がある場合や、プラカップの耐熱温度以上の飲み物を提供したい場合は、無理せず紙コップで提供する方が安心です。 紙コップの耐熱性はプラカップ以上に高く、一般的な紙コップは100℃まで耐えられると言われています。 素材にはそれぞれの良さがあるので、提供する商品に合ったチョイスをすれば、商品をより良く演出することがでます。 それぞれ素材を使い分けて、飲み物を提供していきましょう! |